子どもの病気による欠勤は解雇事由?

 小さいお子さんがいらっしゃる家庭では、よく経験することですが、子どもが熱を出したり、インフルエンザにかかったりして、自分は元気だけれど、急に勤務先を休まざるを得なくなることがあります。

 

 なんとか保育園に入れたのはいいけれども、保育園では、37.5℃以上の熱があると預かってもらえないことになっていますので、結構、頻発する事態です。

 

 子どもが病気で保育園の預りがダメだとなった場合、病児保育という制度もありますが、これも難しいのが現実です。

 そこで、法律では何らかの対処をしているのでしょうか。

 

 この点、子どもが病気になった場合について、「子の看護休暇」という制度が定められています。

 通称、育児介護休業法第16条の2の1項で、小学校就学未満の子どもを養育する労働者は、勤務先の事業年度1年(特段の定めがなければ、4月1日から翌年の3月31日まで)のうち、5日までの看護休暇を取得できるとしています。小学校就学未満の子どもが2人の場合は、10日までの休暇が取得できます。

 そして、事業主は、この申し出を断ることが出来ません(育児介護休業法第16条の3の1項)。

 

 突発的に病気になるパターンが多いですが、前もって申し出る必要があるのかと言えば、そういうことではありません。

 看護休暇の取得は、取得する日を明らかにして事業主に申出することとなっておりますが、子どもの病気で当日に申し出ることになっても構わないとされております。

 

 厚生労働省のホームページに掲載されている「育児介護休業法のあらまし」という解説のPDFで、「子の看護休暇制度」に関する説明もありますが、ここでは、「子の看護休暇の利用については緊急を要することが多いことから、当日の電話等の口頭の申出でも取得を認め、書面の提出等を求める場合は事後となっても差し支えないこととすること」と記載されています。

 

 したがって、子どもの病気で休むことが必要となった場合、子の看護休暇の利用を検討してみるのもよいかもしれません。

 

 ただ、この休暇は、5日までとされており、子育てをしていると、到底足りないことが多いと思いますので、前もって予測できる看護の場合は、有給休暇を消化するなどの手段が考えられます。

 

 上記の子の看護休暇制度の日数に足りず、突発的な病気だということでは、前もっての有給休暇の利用も難しいので、欠勤せざるを得ません。

 では、子どもの病気を理由として欠勤が増えた場合、雇用主は、労働者を解雇できるのでしょうか。

 

 これについては、雇用時の労働者の育児に関する申告内容の有無、雇用契約書の記載内容、欠勤の頻度や日数、業務への影響の度合い、子の病状などを加味して総合的に判断をしなければいけません。

 一般的には、よほど欠勤の日数や頻度が多くない限り、解雇事由とするのは困難であると考えます。

 子の育児は、人としてのライフサイクル上、極めて重要なものですし、その養育する子どもの看護は正当性を有するものであることは間違いないからです。

 

 なお、仮に、子の看護による欠勤を理由として解雇された場合、その解雇が無効であるとの確認訴訟を行って未払賃金の請求をしたり、損害賠償請求を行ったりする方法など幾つかあります。

 このような事態に至るくらいであれば、解雇する前に、雇用者側も配置転換なり、時間調整なり、適切な対応を取るべきだと思われます。

 

 

2018年03月14日