漫画海賊版リーチサイト運営者らを逮捕

 人気漫画海賊版の掲載サイトのリンクを大規模に貼って紹介し、誘導するサイト(いわゆるリーチサイト)である「はるか夢の址」を運営していた関係者らが著作権法違反(公衆送信権の侵害)で逮捕される報道が耳目を騒がせています。

 

 公衆送信権とは、無線有線を問わず、著作物を送信することをコントロールできる権利をさし、テレビ、ケーブルテレビ、インターネットのホームページ等で、視聴者へ送信する権利を著作権者に保護したものです。

 このため、漫画海賊版を著作権者の許可なく、インターネットのホームページで閲覧出来るようにすることは、公衆送信権を侵害することになります。

 

 形式的に見ると、上記リーチサイトは漫画の海賊版を自らのサイトに掲載する当事者ではなく、このような海賊版掲載サイトを紹介するサイトになります。

 リーチサイトには、海賊版が掲載されているものではなく、リンクによって、海賊版が見られる先を紹介しているにすぎません。

 したがって、公衆送信権を侵害している当事者と見られるかどうかに疑問があるため、摘発が難しいとされてきましたが、大阪府警は、その運営の実態を捉え、逮捕に踏み切ったようです。

 

 このリーチサイトは、漫画海賊版を投稿する会員について、1ダウンロードあたり1円の報酬を付与するとともに、ダウンロード数に応じて8段階にランク付けして、投稿者同士の競争を煽っていたようです。

 また、リーチサイト利用者に、月額有料の短時間でダウロードできるツールを配布したり、アフィリエイト(ネット広告)を行ったりして、収入を得ていたようです。

 漫画海賊版投稿を積極的に行わせることで、リーチサイト運営者に収入が得られるような仕組みになっていたと思われます。

 こういった点から、逮捕となったのですが、現行法制度で、実際に、当事者性が認めらて処罰できるかどうかは、今後の検察の起訴裁定や裁判所の判断を見なければなんとも言えないと思っています。

 

 原作者が手塩にかけ、苦労して作り上げた作品が、何の対価も支払われることなく、無料閲覧できる状況というのは、経済的損害が甚大であることのみならず、表現者のモチベーションを低下させることになり、長期的な視点からすれば、漫画作品の衰退に繋がっていくものです。

 

 リーチサイトがはびこる理由は、このようなサイトを通じた無料閲覧をよしとする一般ユーザー側のモラルの問題も大きいと言えます。

 一般ユーザー側も、このようなサイトを利用したり、インターネット上で、無断に投稿されている海賊作品(漫画や音楽など)を閲覧・視聴したりしないよう心掛けなければなりません。

 

 

2017年11月06日