ハウステンボスでバンジージャンプの命綱切れる

 先日の報道で、長崎のハウステンボスで行われていたバンジージャンプのアトラクションで、男性がバンジージャンプ中に、命綱が切れて、落下するというニュースがありました。

 下に敷かれているエアマット上に落下しましたが、マットではずんで地面に落下し、右肩打撲の軽傷で済んだということでした。

 いったん、下まで落下して跳ね上がったところで、ワイヤが切れたらしく、かなり高いところで命綱がなくなっていたものと思います。風で流されたら大惨事もあり得ました。

 家族連れで訪れていたとのことですから、本当に軽傷でよかったと思います。

 

 こういった事案は、刑事上、業務上過失致傷の疑いで捜査をされるのですが、民事上は、被った人的損害(物的損害を含む)に対する損害賠償責任を問うていくことになります。

 

 民事上の人的損害の損害賠償責任を問う場合は、交通事故の損害算定方法に準じて行うことが一般的であり、入通院慰謝料、休業損害、後遺症が残れば、後遺障害慰謝料や逸失利益をある程度、定型的に計算し算出して請求することになります。

 

 この計算を行う方法については、各地の裁判所によって、参考とする文献が違っていて、微妙に金額が変わることもあります。

 ちなみに、私の執務している大阪を管轄する大阪地方裁判所の交通部では、通称「緑の本」というものを利用して算定し、同一管轄内のこの手の損害賠償請求事件の損害算定の公平性を保つようにしています。

 

 冒頭で挙げたバンジージャンプの事件について、仮に民事訴訟となると、損害の算定については、交通事故の処理に準じるところがあると思いますが、一方で、交通事故と異なる特殊性もあります。

 それは、運営会社側に過失があるかどうかという問題や、仮に過失が認められるとしても、被害者側にも一定の過失があるとして、過失割合をどのように認定するかの問題などが挙げられます。

 私が過去に担当した工事現場の従業員の方の現場での事故についても、こういった問題が厳しく争われました。

 

 上記のうち、特に、過失割合については、交通事故のように定型的に数値を表示した資料(現在の実務では、「別冊判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」というものを、保険会社も、裁判所も、弁護士も利用しています。)がないため、その判断基準は、裁判官によって大きく異なることもあり得ます。

 ただ、バンジージャンプの命綱が切れたという本件は、被害者側の過失と言うものを考えるのは到底あり得ないので、その点の争いは生じないと思われます。

 

 

2017年08月03日