特別養子縁組の年齢上限緩和検討へ

 特別養子縁組の制度における子どもの年齢要件6歳未満をそれ以上に緩和する方向で法務省が検討に入るとの報道がありました。

 

 一般の方には、特別養子という用語を聞かれてもピンと来ない方も多いかもしれません。

 これは、生みの親の虐待、経済的事情、又は身体的事情により子どもを育てることができない場合に、育ての親が戸籍上、実の親子同然に扱われることとして、子の福祉と育ての親の心情に配慮しようとした制度です。

 

 そもそも、養子縁組という制度は、旧来から存在した普通養子縁組と1988年から施行された特別養子縁組の2種類があります。

 

 普通養子縁組は、当事者の意思により養子縁組の届出をすることで、養親子関係を形成することができる制度です(ただし、養親は成人でないといけないとか、養親は養子の年長者でなければいけないとか、未成年の者が養子となる場合は家庭裁判所の許可が必要とかの要件はあります。)。

 戸籍上、養親子関係が記載反映されますが、養子は、実の親との親族関係がなくなるわけでもありませんし、実の親との間の法定相続の権利も失いません。

 

 一方、特別養子縁組は、家庭裁判所の許可を得るのが前提ですが、原則、許可申立を行う時点で、養子が6歳未満の子供でないと特別養子にできません。

 そして、特別養子となった場合、実親やその親族との法的親子関係が断絶されるのが、普通養子とは違うところです。

 このため、特別養子となった者と実親との間には、相続関係が発生しません。

 

 また、戸籍上も、普通養子縁組のような「養子」という記載がされず、恰も実の親子のような戸籍が作成され、実親の戸籍から特別養親の戸籍へのアクセス、特別養親の戸籍から実親の戸籍へのアクセスが出来ないような配慮がされています。


 今回、この特別養子の年齢上限緩和の検討に入った背景には、特別養子縁組制度利用件数や虐待案件の増加傾向があり、法務省としては、特別養子として保護すべき子供たちが6歳未満に止まらないとみたからだと思われます。

 

 育ての親が、養子になる子どもとの間に、実の親子同然の関係を構築するには、子どもの年齢が低ければ低いほど、ハードルも低く、年齢が高くなればなるほど、子どもが自我や知識を身に着け、難しくなるのは、当然です。

 このため、今まで上限を6歳未満としていたのも理解出来ます。

 ただ、現実に、虐待をする実の親との関係では、子どもと実の親との法律的な親子関係を完全に断絶する必要性が高い反面、虐待を受ける子どもの年齢は千差万別ですから、上限緩和は私も賛同するところです。

 問題は、何歳を上限にするかとか、制度の内容でしょう。

 詳報を待ちたいところです。

 

2017年07月21日