使用罪のない大麻取締法

 先日、元ジャニーズのグループで活躍していた芸能人の方が大麻所持の疑いで逮捕されるというニュースが流れて賑わっていましたが、結局、処分保留で釈放され、東京地検は不起訴処分としました。

 

 この方、捜査では、尿検査で大麻の陽性反応が出ていましたが、所持については否認していました。

 車内で乾燥大麻が見つかったということですが、本人の物とは断定できず、検察としては、公判を維持する証拠に満たないと判断した模様です。

 

 この方に限らず、毎度のことですが、逮捕される際は大々的に報道して、不起訴となると小さく取り扱われるのみで、報道のスタンスについては、非常に疑問を感じます。

 

 ところで、大麻使用で陽性反応が出ているのに、処罰されないのは不思議に思われるかもしれませんが、実は、「大麻取締法」は、覚せい剤取締法と違い、使用についての罰則がありません。

 

 大麻自体は、昔から、繊維を採取するため栽培されたり、麻の実が七味唐辛子等の香辛料に使われたりしていますので、大麻取締法は、「大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く」としています。

 そして、茎や実からの少量の大麻成分の体内吸収をしている人が実際、葉から吸収しているかどうか区別がつきにくいとか、繊維等の合法理由で栽培している人が何かの拍子に葉からの成分を吸収しても、罰するのはよくないからということで使用までは、処罰の対象に出来なかったようです。

 

 諸外国では、有害性がないということで合法の国もあるそうですが、日本の最高裁は有害性を認めて大麻所持による処罰を合憲としています。

 

 私が過去に取り扱った事案では、オランダ渡航の際に、合法の大麻使用をし、帰国時に誤って大麻を持ち込んでしまって、所持罪に問われたというものがありました。

 この場合、起訴まで空港の警察署で逮捕拘留されることになります。

 本当に真面目で普通の方でしたから、ちょっとした拍子や気の緩みで、どんな人でも刑事事件の被告人になり得るということを再認識した事件です。

 

 海外から国内への大麻持ち込みという事案では、かなり昔ですが、元ビートルズのポール・マッカートニーが大量の大麻を持ったまま日本にやって来ようとして、税関で逮捕され、自発的な退去という結論で落ち着くというのもありました。

 

 大麻は、使用が罰せられないからと言って、使用の前段階は所持ですから、今回のケースのように罪を問われないのは稀だと思います。

 また、有害性もあると考えられておりますので、手を出すのは厳に慎まなければなりません。

 

 

2017年07月03日