美容医療にもクーリングオフ適用へ

 美容を目的とする医療サービスについて、今年の12月1日から、クーリングオフや中途解約が可能になるとのことです。

 種類は、脱毛、にきび・シミ・入れ墨の除去、シワ・たるみ取り、脂肪の溶解、歯の漂白の5種となっています。1か月以上の施術期間で、5万円を超える契約の場合が対象です。

 

 従来から、消費者にトラブル発生の蓋然性が高い取引については、特定商取引に関する法律(特商法)によって、契約トラブルを未然に防いだり、トラブル発生後の消費者保護を図って来ました。

 

 美容医療に関する契約は、長期・継続的に役務(サービス(医療行為))を提供する形態が多く、美容医療である故に、健康保険の適用外の自由診療となることから、契約当初に支払う費用も高額となるのが一般的です。

 長期・継続的にサービスを提供する契約を「継続的役務提供契約」と言いますが、特商法は、この種の契約のうち、ある特定のサービスに限定して、同法の規制を及ぼしています。

 

 現時点で、特商法の規制が及んでいるサービスは、エスティック、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の6種となっております。

 これに上述した医療サービスの種類が加わることになります。

 

 特商法の規制が及ぶとどのような保護が図られるかですが、主たるところで、次のようなものです。

 

・契約書面を受け取ってから8日の間は、クーリングオフができる(特商法48条)

 

・クーリングオフ期間経過後も契約の中途解約ができ、この場合、業者は、法律で決められた金額以上の違約金を取ることが出来ない(49条)

 なお、それまでに受けたサービスがあれば、それに該当する部分の返金は求められません。

 

 ほか、業者には、契約締結前に契約内容を記載した概要書面を交付する義務があったり、契約をした場合には、契約内容記載の契約書面を交付する義務があったりします。

 クーリングオフの行使期間の始期は、契約書面交付時からとなっておりますので、消費者が契約書面の交付を受けない限り、クーリングオフの期間は徒過しないという理解になります。

 

 医師が関与する美容医療について、そうでないエスティックサロン同様、特商法の規制をかけ、消費者の保護を図ることは、トラブル多発の現実からすれば、望ましい結果だと思います。

2017年06月30日