治療費、入院雑費、交通費、付添看護費とは?

 交通事故で、治療を要した場合、発生する損害賠償項目は、タイトルのとおりとなります。

 簡単に、どういった項目であるのか、そして、どうやって金額を計算するのか見てみましょう。

 

1 治療費

 交通事故で被った傷害に対する治療に要した費用です。原則、症状固定時までの費用となります。

 必要かつ相当な範囲での金額が認められ、過剰な治療や高額診療である場合は、否定されることもあります。

 一般的に、相手方保険会社が治療費打ち切りしない間の治療費は、過剰診療が争われることはないかと思われます。

 

 任意保険会社が治療費負担していれば、実際、この金額分は控除されますので、二重払いされることはありません。

 これと関連して特に問題があるのは、過失割合がある場合です。

 自由診療のままだと治療費が高額化してしまいますので、健康保険利用の場合と比較し、相手方保険会社から受け取れる保険金に差が出てしまう場合もあります。

 

2 入院雑費

 入院治療を要する場合、日用雑貨品を購入したり、通信費、新聞代、テレビ視聴料等の余計な費用がかかることがあります。

 当然、こういった雑費についても、損害賠償の範囲とされるのですが、一つ一つ証明して、相当性を認定するのは煩雑なため、現在の実務では、入院1日あたり1500円として定型化して判断しています。

 

3 交通費

 病院への入退院や通院に要する交通費です。実費計算します。

 電車、バス等の公共交通機関の運賃で計算するのが一般的です。

 タクシー利用については、傷害の内容や程度、交通の便等を加味して、認めるかどうか総合判断します。タクシー利用が不相当ということになれば、公共交通機関を利用した場合の運賃で算定されます。

 ちなみに、自家用車利用の場合は、自宅から病院までの距離に対し、1キロメートルあたり15円でガソリン代を計算します。

 

4 付添看護費

 被害者の入院や通院に近親者が付添を要する場合、加算することができます。

 典型的には、医師の指示があったとか、症状の内容・程度や幼児であるとかで付添が必要な場合です。

 1日あたり、入院付添6000円、通院付添3000円で算出しています。

 

 

2017年09月13日